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公文書管理委員会第3回に行く [公文書管理委員会]

昨日、公文書管理委員会の第3回会合を傍聴しに行きました。
今回の議論は、前回提示されてパブコメを受けて変更になった「特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関するガイドライン案」の正式案についてでした。

このガイドラインは、国立公文書館や外務省外交史料館、宮内庁書陵部宮内公文書館などの利用規則を作る際の「ガイドライン」になるものです。
とりあえず、「ガイドライン」で主に何が変わったのかについて、先に解説を。
具体的には、資料自体を見てもらえれば「赤字」で変更した箇所が示されているので、それで十分わかると思います。
http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/22/221012/221012haifu3.pdf

・P4~ 著作権問題
公文書の中に著作物(例えば、コンクールで応募されたポスター作品など)が入っていた場合に、その処理をきちんとするようにとの条項がさまざまなところに入った。

・P9 資料の保存方法
基準が厳しいという話がいくつか出ており、「国立公文書館ではこのように運用している」という書き方になった。

・P11 目録
サブタイトルを活用して、わかりやすいタイトルをつけて内容が容易に把握できるようにという点が加わった。
あと、利用制限理由がある場合、「審査日」を目録に明記することが加わった。→なおP15に、審査日と利用制限を行った理由を記録する必要も明記。

・P13 30年原則
ガイドライン本文に30年で基本公開という「30年原則」が明記

・P14 審査基準
各館の「審査基準」を「策定」するだけでなく、「公表」することも書き加えられた。

・P18 マスキング(墨塗り)での公開の際の日どり
利用請求者に対して「作業に要する日数」ではなく「閲覧が可能となる日数」を知らせることと書き換えられた。

・P26 利用方法
「カメラ等を用いた撮影については、極力、認めることが望ましい」との記述が加えられた。

・P37 利用時間
「体制、経費等をふまえつつ」という留保はあるが、「昼休み時間帯の営業についても積極的に検討を行うことが望まれる」と明記された。

・P39 研修
研修の対象として、人材を育成するため、現職者以外にも門戸を広げることが加えられた。

内容としては「良くなった」というのが率直な感想。
私自身がパブコメで要求していた、「審査日明記」「審査基準公開」「デジカメ撮影許可」「昼休み廃止」という4点が書き加えられたことは非常に有難かった。

なお、著作権のことについては、文化庁で行われた5月27日の「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会」の第5回で、公文書の利用の際には著作権の制限をかけて、公開・複写可能にするという方向性がすでに出ており、おそらく公文書管理法施行までには著作権法の改正が行われるのではないかと思われる。
そのため、実際には著作権を理由とした利用制限は、来年4月にはそれほど問題にはならないのではないかと考えます。

さて、これを踏まえた上で、委員の議論について少しだけ。

大きな議論になっていたのが、外交史料館と宮内公文書館について。
つまり、このガイドラインは主語が「館」となっているが、外務省は、この「館」を「外務省」ないしは「外務大臣」に置き換えることが必要だと主張してきた。(資料2の1ページ)
外務省の言い分は、「外交史料館は外務省の一部署であり,行政庁としての処分・諮問等について,最終判断をする立場にないため。」とのことである。

これについて、加藤陽子委員をはじめとして、何人かが「それで問題がないのか」ということを発言されていた。
対して、内閣府からは「法令上そうなっていますので」という答えを返されていた。

これは残念ながら内閣府の言っていることは「正しい」。
本来ならば、公文書の移管元である外務省と宮内庁から移管先を「離す」必要があったにもかかわらず、結局外交史料館と宮内公文書館をそのまま維持してしまったわけだから、これは「仕方がない」ということになる。

ただ、やはり、移管元と移管先の責任者が「同一」人物である(大臣)場合に、その「移管・廃棄」や「開示・不開示」の判断の恣意性をどこまで排除できるのかは疑問がある。
もちろん、内閣総理大臣への報告義務など、さまざまなチェックが入るようになっているが、どこまで見抜くことができるか。
「同一」であることへの「危惧」が委員会で示されたという「事実」自体を覚えておき、何か問題が起きたときにそれを利用して批判するということが必要なのかもしれない。

他には、野口貴公美委員から、各館の「利用規則」案が作成された時にパブリックコメントを行ったらどうか(パブコメでもそういう意見が複数出ている)という意見や、三輪眞木子委員などから、目録を現用文書や各館とで統一化して連携できるようにするべきではという意見もあった。

さて、このガイドラインは基本的には「良いもの」として仕上がったと思うが、神奈川県立公文書館所属の石原一則委員が「自分の館でこれをやれと言われたら結構大変だ」とおっしゃっていたように、かなり基準が「高め」に設定されていることは間違いない。
既存の文書館であればそれなりに対応可能だろうが、文書館が存在しないところ(国立大学法人など)では、かなりハードルが高いのではないかと思う(特に保存設備の問題など)。

よって、「どこまで水準を落としても大丈夫なのか」というところが、おそらく文書館が無いところの気になるところだと思われる。パブコメでも「理想論過ぎる」という意見もいくつか見られてましたし。
ただ、だからといって「低くて良い」という問題でも無いので、そこは「できる範囲で頑張って」としか今のところは言いようがない・・・。
国がある程度お金を補助するという制度があると助かるのだが、そういうことにはならないだろうなあ・・・。そもそも国立公文書館にすら、あまりお金が増えないというのが現状だし・・・

第4回の会議は11月30日の予定です。その回で各府省の利用規則案の「第1陣」が出てくるとのこと。
委員会が承認しなければいけない規則が約40機関分あるので、12月には委員会が1~2回行われる予定とのこと。
この各省庁の利用規則案は、審査日程がある程度バラけてもらわないと、ごまかした省庁の規則を見破れない可能性が高まるので、何とか日程を調整してほしいと願っています。

なお施行令については、現在内閣法制局と調整中とのこと。
終わり次第、法定パブコメが行われることになるそうです。
次回の会議で施行令自体は委員会を通す予定とのことです。
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