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最悪なる結末 [訴訟関係]

本日12月7日、13時25分、東京地裁606号法廷にて、不作為の違法確認等訴訟の判決がありました。
当然初めて判決というのを聞くのだが、民事訴訟というのは主文しか読まないみたい。(刑事訴訟のような、裁判長が長々と演説するものだと思っていた。)
なので、みな傍聴席に座った状態で、主文を5秒で読み、あとは判決書をもらって確認をするという形であった。
ものすごく早いので、びっくりした。

判決文はHPに載せます。解説を書いている途中で、HP用に使っているパソコンがフリーズしたので、また後日アップします。

さて、以前のブログですでに書いたように、不作為の違法確認の部分は、文書が全て開示されてしまったので取り下げになった。
そのため、損害賠償請求の部分に判決が下されることになった。

こちらとしては、損害賠償が認められる可能性は過去の判例からほぼなかったので、「事実認定として宮内庁の行為に問題があるけど、損害賠償にまでは至らない」というのが、望むべき判決であった。
しかし、そんな望みは空しく、判決は想定しうる中で最悪の結果を描いた。

まず、事実認定をしてもらえず、賠償に値する精神的損害があるかどうかという判断のみがなされた。
これについては、まだわからなくはない。
問題は、その判断のされかたである。
文章をそのまま引用する。(強調は引用者)

そこで、本件において,まず遅延した処分により影響を受ける権利利益の内容や程度について見るに,そもそも情報公開法に基づいて文書の開示等を受ける権利は,国民主権の理念にのっとり,公正で民主的な行政の推進に資することを目的とするもの(同法1条)ではあるが,平成13年4月1日に施行された情報公開法によってはじめて具体的な請求権として認められたものであり,開示請求に対する決定の遅延自体が,直ちに国民の生命,身体等の重篤な法益に影響を及ぼすものではないそして,本件の対象文書は,昭和20年から昭和27年に作成された皇室関係の資料であって,それらの資料の開示が,直ちに情報公開法が目的とする公正で民主的な行政の推進に資するとは言い難いばかりか,むしろ,同法2条2項2号が,国民への説明責任という同法の趣旨に鑑みて情報公開の対象外とした「歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料」に類するものともいうべきであって,原告が,本件の開示請求によって決定を得ようとする権利は,そもそも情報公開法の前示の理念や目的に直接資するものであるのかどうか疑問が残るものである。

つまり、判決はこう言うのである。
まず情報公開法に基づく開示が遅れることは大した権利侵害ではないということ。
次に、請求している文書が「皇室関係の古い資料(昭和20~27年)」であり、その公開は情報公開法が想定した「公正で民主的な行政の推進」にはあたらないから、私の開示決定を得ようとする権利は「法の理念や目的に直接資するものか疑問」である。
そして、その理由として、請求している資料は、情報公開対象外の歴史的文書に類するものであるからだと言うのだ。

これはひどい。
まず、「現用文書」として宮内庁が持っている以上、それは情報公開法の対象であることは間違いない。
そして、現有している以上、その内容がどういうものかによって、法の理念うんぬんは関係ないはずだ。
また、現用文書を「歴史的資料」に「類する」などという概念は、そもそも情報公開法からは導き出せない。
「歴史的資料」であるなら、それは国立公文書館(宮内庁書陵部)に移管して、そこで開示されることが前提となっていなければならない。
それを宮内庁がしていないことについては一切触れず、私の請求した文書が悪かったとでも言わんばかりだ。

また、「皇室関係の古い資料」=その公開は「公正で民主的な行政の推進」とは関係ない、というのだ。
なんでそういうことが断定できるのか。
宮内庁がその資料を「現用」している以上、それは現在の行政と関係があるということではないのか。

しかも、判決文のその後の部分を読むと、宮内庁側の意見を全面的に採り入れており、当方の意見は全く受け容れられていない。
これでは、宮内庁の開示の遅れたこと自体も正当化されてしまう。
判例としては「国家賠償」に関わる判決であり、遅れたことの正当化の部分は、「不作為の違法確認」の判例にはならないので、他の人への影響は少ないのはまだ救いだが、私自身の精神的な衝撃は余りにも大きい。
自分が正しいと思ってやってきたことを、裁判所に否定されたに等しい。

今回の判決によって、やはり公文書管理法の制定と国立公文書館の拡充が絶対に必要であるということを改めて思い知らされた。
情報公開法は、現在、リアルタイムで作られている公文書の開示を目的とされた法律であり、古い文書をどう位置づけるかについて、きちんと考えられていないのだ。
裁判官ですら、古い文書の開示が、情報公開法の現有の行政文書開示の理念と合わないと言ってしまうのは、その証拠でもある。
情報公開法がそもそもそういう法律であるのだとすれば、古い文書をきちんと移管させて公開させる制度が必要なのだ。

控訴期限は2週間後までなので、そこまでに控訴するかは近藤先生や情報公開クリアリングハウス等との話し合いで考えることになった。
どうするかはまだわからない。しかし今回のはものすごく凹んだ。


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