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特定秘密以外の秘密文書の統一基準問題 (4)改正 [2015年公文書管理問題]

2014年12月末に行われたパブリックコメントを受け、2015年1月21日に公文書管理委員会が開かれ、「行政文書の管理に関するガイドライン」が改正されました。

公文書管理委員会(第39回)配付資料
http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2014/20150121haifu.html

このガイドラインは、特定秘密「以外」の各行政機関に存在する秘密文書の統一基準の作成を目的としています。
12月末までに3回にわたって、その改正案について書いてきました。

そこに書いた文章をもう一度載せておきます。

この問題に注目するのは、特定秘密保護法の濫用を防ぐためでもあります。 濫用を防ぐには、そもそもとして政府全体が所有している秘密文書を最小限に留めることや、いずれはきちんと公開されて検証できような仕組みの導入が必要なのです。

秘密文書全体の管理方法を厳密化することで、特定秘密指定自体も最小限に食い止めることが可能となります。
特定秘密だけを見ていては、木を見て森を見ずとなってしまいます。


すでに改正案の内容については、第1回第2回で述べていますが、簡単にまとめておくと、

・特定秘密以外の秘密を、「極秘文書」と「秘文書」に原則整理する。
・「極秘」は5年以内・延長可、「秘」は期限は無い(文書の保存期間内)。
・「極秘」は部局長、「秘」は課長が指定。
・秘密文書専用の管理簿で管理する。
・管理状況は毎年大臣に報告する。
・管理の規則を作る。


となります。

これまで、秘密文書の基準はほぼ50年前に作られたザックリとした規定しかなかったため、整備されることは良いことだと思います。
以下、パブコメを受けてどう変わったのかを書いてきます。

パブコメを受けて変わったところは、文字の微調整を除くと2ヵ所。

一つ目は、秘密指定の期間が満了した場合は、自動的に解除されることが明記された対照表9頁(4))。
パブコメへの返答13を見ると、自動解除させるつもりだったが言葉が足りていなかったという書き方をしているので、基準を明確にしたということでしょう。

これはパブコメで私も指摘していたところ。なので、きちんと書かれて良かったと思います。

二つ目は、指定した秘密文書のうち、「程度等に応じて必要と認める場合」に大臣に報告するとなっていたところを、「特に重要なものについては」に変更された(対照表11頁)。

これは、あいまいな書き方をしていた所を、「重要なもの」と明記したということでしょう。
変えて良くなったと思いますが、どこまで実効性があるかは未知数でしょうか。

これ以外の所は実質的には変更がありませんでした。もっと改善点はあったかと思いますが・・・

他に主なパブコメに対する答えがなされています。

私が注目したものは以下の通り。

・「極秘」「秘」以外のカテゴリーが置けることへの批判(3,4)
→置く場合は、行政文書管理規則に載せる必要があるので、公文書管理委員会に諮問される。

(コメント)
情報公開クリアリングハウスの調査によれば、「TPP秘密文書」(内閣府、農水省)、「NATO秘密文書」(防衛省)など、個別の秘密文書類型が存在している。
内閣府の説明から考えると、この類型は残るが、その管理方法などは公文書管理委員会で審査を受けるということのようだ。


・「極秘」「秘」の定義が曖昧であるという批判(5)
→各機関が業務内容や組織体制を踏まえて判断

(コメント)
この部分が曖昧だと、結局は秘密が広がることになると思われる。なので、各行政機関に投げっぱなしはまずいと思う。
そうなると、制限の多い「特定秘密」制度を使うよりも、漏洩の罰則は緩いけど使いやすい「極秘」制度が多用されるのではないかというおそれがある。


・「秘」に期間の上限がないのはおかしい(11,12)
→「極秘」に5年という期限があるのは、定期的に管理状況を確認するためにすぎない。「秘」はそれに該当しないので、保存期間を超えない(ガイドラインにも「極秘」の確認の話は追記された、対照表11頁)。

(コメント)
どうやら「極秘」を5年以内と制限を切ったのは、内部事情ということらしい。あまり国民の側を向いているようにも見えないが・・・
しかし、「秘」の管理状況は確認しなくて良いのか。


・秘密文書の管理に関する内部通報の仕組みを別立てで整備すべき(27,28)
→特に別に作る必要はない。通報者の不利益にならないようにする。

(コメント)
確かに特定秘密ではないので、普通の窓口でも良いのかもしれないが・・・


・1年以内に秘密文書を管理できるようにすべき(31)
→3年としたのは、公文書管理法施行時に、それ以前からある文書への適用は3年以内を目途に作業を終えるとしたことを参考にした。

(コメント)
公文書管理法施行時に文書を整理したのに、なぜまた3年が必要なのか。
ただ、秘密文書の管理状況はカオスなのだなと推測はできるので止むなしか。


・各行政機関で作成されることになる秘密文書管理要領を公表すべき(32,33)
→各機関で判断するもの

(コメント)
管理要領が作られた後に、各機関に情報公開請求をしてみないとわからないということになりそう。
新聞などに追及してほしいところ。


・行政文書ファイル管理簿に秘密文書の存在の有無などの欄を設けるべき(36)
→行政文書ファイル管理簿は「行政文書の適切な管理及び行政機関における行政文書ファイル等の保有状況を国民に明らかにすることを目的とするものであり、秘密文書の指定の有無を記載しなくとも、当該目的は達成されるもの」である。

(コメント)
行政文書ファイル管理簿の定義を狭く見すぎているのではないか?
「適切な管理」になぜ秘密文書の指定の有無が入らないのか?
説明になっていない。

ただ、管理簿の改訂を頑なに内閣府が拒む理由は見えてきた。
どうやら、ここを修正するには、ガイドラインを直すというよりは、公文書管理法第7条の管理簿についての条文や、関連する施行令の条文を直さないと解決しない問題のようだ。
その条文に秘密文書の管理についての項目を入れないと、内閣府は変える気がないということがわかった。

以上が細部についてのコメントです。

総合的に考えると、これまでのたいした基準が無かった時よりは改善されるのではないでしょうか。
その意味では整備されることは良かったと思います。

気になるのは、他の方も指摘をされていると思うが、「特定秘密」と「極秘」「秘」を各行政機関がどう使い分けていくかでしょうか。
「特定秘密」は管理が厳密で、他省庁との情報交換も容易ではなくなるので、漏洩時の罰則が緩くなるのを覚悟で「極秘」扱いにしていくということも考えられそう。

「特定秘密」「極秘」「秘」の運用を比較しながら、秘密全体をどう減らしていくかを考えていく必要があると思います。
どうやって監視するかがなかなか難しいですが、知恵を絞っていくしかないと思います。

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