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特定秘密保護法パブコメを受けて(前編) 運用基準案改正 [2014年公文書管理問題]

2014年9月10日、第3回の情報保全諮問会議が開催され、パブリックコメントを受けて特定秘密保護法の施行令案と運用基準案の修正が行われた。

施行令案では修正ゼロ。
運用基準案はパブコメによって27ヵ所、その他文面の調整が行われた。


基本的には、曖昧であったところが具体的な記述になったり、書き込み忘れていたことを書いたりといったことがほとんどであり、27ヵ所とは言っているが、根本的な部分は手を付けられることは無かった。
ただ、もちろん、すべてが改善に繋がったことは評価していいだろう。

具体的に27ヵ所も説明するのは冗漫なので、内閣官房が取り上げた「主な修正点」7つについて簡単にコメントをしてみる。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jyouhouhozen/dai3/siryou1.pdf

なお運用基準案の改正は以下を参照のこと。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jyouhouhozen/dai3/sankou1.pdf

1.基本的な考え方に、国民の知る権利の尊重について具体的に記述しました。

元から入っていなければならないことである。


2.別表第1号(防衛に関する事項)該当性について、米軍に関する事項は、自衛隊との関わりの限りで指定の対象となることを明らかにしました。

最初から、そのような意図で書こうとしていたが、日本語がおかしかったために誤解を生み、修正したにすぎない。


3.公益通報の通報対象事実その他の行政機関による違法行為の事実は特定秘密に指定してはならないことを明記しました。

隠蔽工作のために特定秘密制度を利用することを禁じたもの。
公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の事実を指定し、又はその隠蔽を目的として指定してはならないこと」(改正案9~10頁)という下線の部分が追加された。

「法令違反の事実を指定」「その隠蔽」ということだから、悪意の有無は問われておらず、それを行った時点でダメである。
これは重要であり、書き込まれて良かったと思う。
もちろん、特定秘密に何が指定されているかは外部からはわからないが、内部告発のリスクを背負う以上、一定の心理的な歯止めにはなるだろう。

政府としては、防衛や公安関係の情報を特定秘密に指定したいわけであり、不信をもたれるような可能性はできるだけ排除したいということではあるのだろう。
これは秘密保護法反対運動の圧力があったからこその成果だろう。


4.緊急廃棄した時は、その理由等を記載した書面を作成し、行政機関の長等に報告するものとしました。

これは大幅に修正された部分だが、そもそもそういったことが全く書かれていなかったことがおかしい。

運用基準案の原案の段階では、緊急事態における廃棄については、ほぼ何も書いていないに等しく、各行政機関に投げっぱなしの状態であった。
今回の修正で、緊急廃棄を行った際には、行政機関の長への報告義務などが課されることになった。

ただ、そもそも特定秘密制度の前身の一つである防衛秘密制度においては、緊急廃棄を行った際には、防衛大臣に報告する義務が存在している「防衛秘密の保護に関する訓令」43条3~5項)

つまり、そもそもとして最初から入っていなければいけない内容である。

なので、最初から入れる予定のものをあえて外し、それを直すことで「改善しました」というポーズを取って他の修正をかわそうとしたとしか思えない。

例えば、「緊急事態」とは結局どのような定義であるのかを、例を挙げることすらも拒否しており、緊急事態の定義の限定をかけられないための手段だったのではと疑わざるをえない(パブコメ回答20頁116への回答)。
もちろん、今後想定外の事態が起こる可能性はあるわけだが、ある程度の例示は可能だったと思う。


5.適性評価の苦情処理の結果を通知する際は、判断の根拠等を具体的に説明することとしました。

これも元々入っていなければならないもの。


6.内閣府独立公文書管理監が行政機関の長に特定秘密の指定等について是正を求めたときは、内閣保全監視委員会にもその内容を通知することとしました。

保全監視委員会に伝える理由は「同様の事案について適切な措置をとるよう主要関係省庁で是正要求の内容を共有することとしました。このことにより、内閣府独立公文書管理監から是正を求められた行政機関の長がより実効的な措置をとることにも資するものと考えます」とのことである(パブコメ回答38頁29)。
内閣官房の言い分を斟酌すると、チェック機関に強制的な解除権はいらず、類似した事例の積み重ねを共有することで適切に機能すると言いたいらしい。

ちなみに、このパブコメへの回答は、「チェック機関に指定の強制解除権を持たせるべき」という質問への答えである。

全く答えになってないと思うのだが。
逆に是正を拒否する事例が共有されて積み重ねられそうな感じがしなくも無い。

保全委員会に伝えることは問題ないが、強制的な解除権が結局付与されていないのはまずいだろう。


7.運用基準は、特定秘密保護法の施行後5年を経過した場合に見直すとともに、定期的、又は必要に応じ見直すこととしました。また、その内容も公表することとしました。

5年での見直しが入ったのは良いと思われる。
だが、これも最初から入っていなければならないことだろう。


結局、もともと入っていなければならないものがほとんどであることが、これらを見ても分かるだろう。

根本的な改正は、そもそも法律自体の不備が多いのでありえないとは思っていたが、やはりということだろうか。

長くなったので、パブコメへの回答集の話は後編に。
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