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【連載】情報公開法改正案解説 第6回 独法情報公開法、附則、まとめなど [2011年公文書管理問題]

【連載】情報公開法改正案解説
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震災の影響で延期されていた情報公開法の改正案が4月22日に閣議決定され、国会に提出されました。
今国会でどこまで議論が進むかは未知数ですが、論点はきちんと提示しておいた方が良いかと思いますので、数回かけて法律案に沿って解説を行いたいと思います。今回が最終回です。

法律本文の青字にした部分が変更した部分。追加のケースと変更のケースがあります。
強調や下線は重要な部分を強調した部分です。

詳しくは、新旧対照表が一番見やすいと思います。

改正案全文は内閣官房のページ
http://www.cas.go.jp/jp/houan/index.html
から見れます。

第6回 独法情報公開法、附則、まとめなど

情報公開法の改正案は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律」として国会に提出されている。
これは4条から成り立っており、第1条が行政機関情報公開法、第2条が独法情報公開法、第3条が内閣府設置法、第4条が総務省設置法のそれぞれの改正となっている。
後者の二つは管轄替えであることは、すでに第4回で説明をした。

まず残った独立行政法人情報公開法について。

基本は行政機関と同じ。
だが、独法は行政機関と機能が異なるので、その部分がいくつか異なる。

例えば、第1条の目的は「国民の知る権利を保障し」の部分だけの追加に留まり、他の変更はない。
これは、独法に対する国民の監視というのは、独法の形式的にはそぐわないということだと思われる。
また、第5条の外交、公安関係の「十分な理由」という改正部分も、そもそも独法自体がこの情報についての優先的な不開示の権限を有していないので、特に反映されていない。
なので、実質的には行政機関情報公開法の方を見ておけば、今回の改正案については十分ではないかなと思われる。

次に、附則について。

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

この改正は、公布されてから2年以内で施行される。
ヴォーンインデックスやインカメラの問題があるから、裁判関係の部分は、準備にそれなりの時間が必要というのはわからなくはない。
だが、開示基準の変更とかについては、それほど時間をかけなくても施行できるはずである。

なので、第22条~第24条、第30条以外は、公布後半年ないし1年以内ということにした方が良いのではないかと思う。

第2条は本文が長いので簡単に説明のみ。

第1項は、開示請求に関する条文は、施行以後に請求されたものに適用(請求後に施行された場合、それは旧法が適用)。
第2項は、第2回解説の第5条第2項の部分で説明したが、法人から公開しないとの契約をして受け取った情報については、その契約は改正後も有効だということ。
第3項は、情報公開・個人情報保護審査会への不服申立の際、90日を超えた際に内閣総理大臣への報告義務については、「諮問」が施行後の時には新法が適用(不服申立やその前提となる開示などは改正前でも問題ない)。
第4項は、情報公開訴訟におけるヴォーンインデックスやインカメラなどは、施行前の事例であっても、施行後にまだ行われている裁判に適用される。

施行前後に問題となる事例について、色々と注記したものと考えれば良いだろう。

残りの附則については略。

最後にまとめ。

基本的には、行政透明化検討チームの「とりまとめ」に沿ったものであると言える。
私は、この「とりまとめ」についてブログを書いたときに、以下のようなことを書いた。

全体的には向かっている改革の方向性は問題ないと思っています。
ただ、法律の文章にしたときに、検討チームの意思がどこまで反映されたものになるかはきちんと監視する必要があると思います。

ただ、この検討チームの議論は、前へ進んだとはいえ、委員の三木さんがおっしゃっていたように、初めから大臣案という「枠」が決められており、その枠内でしか議論を行えなかったという側面があります。
私自身もパブコメで、「時の経過」の話など色々と書きましたが、当然の如くスルーされました。

会合の回数も時間も少なかったので、やむを得ない部分はあったと思いますが、この案がまだまだ検討の余地のあるものだということは頭の片隅に置いておく必要があると思います。
そして、場合によっては、ねじれ状態になった国会での再修正という、公文書管理法の時のような再現を狙うということもありうるでしょう。

この「とりまとめ」が出されたから、これでおしまいということにしてはいけないでしょう。
まだまだ民間の側からも、色々な意見を出しながら議論に参加していくことが必要だと思います。
それこそ、蓮舫大臣の言う「参加型行政」の姿だと思いますので。


この時の結論から、それほど変わっていないかなという感じです。
ただし、連載中にも書きましたが、いくつか「とりまとめ」から逸脱したものがあります。

特に、第5条の冒頭(第1回参照)、第24条第2項(第5回参照)については、大いに問題があると思います。
他にも、第5条の第3項、第4項(第2回参照)や第16条の内容(第3回参照)などについても、再度国会できちんと議論する必要があるでしょう。

せっかくねじれ国会になっているのだから、改正案を良くするためには、今度は自民党に頑張ってもらう必要があります。
ただ、与党ボケしている自民党が、防衛、外交問題の情報公開に積極的になるかどうかは正直あまり期待できないかもしれない。
そうなると、公明党あたりに踏ん張ってもらう必要があるのかもしれません。

ただ、そもそも震災復興関係の審議が目白押しの中で、どこまでこの情報公開法改正案がきちんと議論されるのかが心配です。
今回の震災の原発問題などを見ていても、情報公開の重要性はますます高まっているように思います。
少しでも良い改正案になってほしいと思っています。

以上で解説は終わりです。相変わらず長々と書いてきましたが、おつきあい下さりありがとうございました。
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コメント 4

ダグラスリーフ

情報公開法改正が日本国民の利益になる事を祈ります。
by ダグラスリーフ (2011-05-01 23:59) 

瀬畑 源(せばた はじめ)

> ダグラスリーフさま

そうなるように、少しでも良い方向に行けばと思います。
by 瀬畑 源(せばた はじめ) (2011-05-02 15:41) 

NO NAME

勉強になりました。一歩前進したことは間違いないと思います。行政側が間違いなく嫌がるだけのこの法案を作り上げた方々の努力はなみなみならぬものがあったと思います。
by NO NAME (2011-06-26 17:41) 

瀬畑 源(せばた はじめ)

> NO NAMEさま

まだ国会を通過していないので予断は許さないと思います。
修正も行った上で通過してくれると嬉しいですが・・・
by 瀬畑 源(せばた はじめ) (2011-06-28 00:45) 

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