行政文書の保存期間のおかしさ [2009年公文書管理法問題]
公文書市民ネットで一緒に活動しているジャーナリストのまさのあつこさんのブログに、「2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間」という記事が掲載されている。
この記事は非常に興味深かった。
まさのさんのブログには、「行政文書の保存期間」に関する国会審議の一覧表がアップされているのだが、それを見ると色々と唖然とすることが多い。
特に、高速道路の建設などの公共事業の調査記録(原データ)が3年やそこらで「文書管理規則」に則って廃棄されていて、追跡調査できないという事例については、「何で?」と思わざるをえない。
どうも官僚側の認識としては「すでに契約して着工してるんだから、なんでそれを作ったのかなんてどうでもいいじゃない」という感覚のようなのだ。
詳しくはまさのさんのブログを参照してほしいが、「文書保存期間が切れました」として、大量の重要資料が廃棄されているという実態が非常に生々しくあらわれている。
まさのさんは、この問題を各省庁が独自に「文書管理規則」を決めていることに原因を見ている。つまり、重要な資料なのに、各省庁が短い保存期間を付けて捨てているということだ。
もちろん、この点が最も問題があることは疑いない。
今回の公文書管理法案では、その文書管理規則の制定には内閣総理大臣の同意が必要となっている(第10条)。だが、これで果たしてこの状況が改善されるのか。
まさのさんは、内閣府も同じ官僚組織なのだから、期待できないと主張されている。私もその点については全く同意見である。
ただ、私の視点から見ると、もう2点ほど、話を広げて考えることができるのではないかと思う。
まず一つめは、「中間書庫の重要性」である。
まさのさんがまとめた答弁の中で気になったのは、4月23日の舛添要一厚労相の答弁にある年金関係の書類は「膨大な量」になるから全部保存は無理という言葉だ。
これは他の答弁には出てはいないが、各省庁が原データなどを大量に処分する原因は、「保存スペース」に起因しているように思う。
高速道路などを作る場合には、おそらく大量のデータを作っているはずで、そのデータ量は各部署が持つには膨大すぎる。だから、短い保存期間を付けられ、着工したら捨ててしまうというようなことが行われているのではないか。
(もちろん悪意を持ってデータを隠蔽して捨てている可能性は否定できないが、それが全てに共通する原因とはちょっと考えにくい。)
だからこそ、「中間書庫」は必要なのだ。
「中間書庫」は、保存年限が来ていないが、実質的にはほとんど使用していない文書を移管する「倉庫」である。そしてその倉庫は公文書館が管理する(文書の保有者は各省庁のまま)。
ここに移管するメリットは、各部署にある大量の文書を整理整頓できること、公文書館の職員が整理に携わることで保管期限切れの後の公文書館への移管がスムーズに行えること、などが挙げられる。
つまり、現在スペースの問題で廃棄されている文書は、中間書庫のシステムを使えば、適切な保存期間を設定でき、かつ重要な資料をその事業終了まできちんと保存することが可能になるのだ。
二つめは、これは繰り返し私が述べていることだが、「移管廃棄の権限を各省庁が持っていることの問題性」である。
私が以前、広島大学文書館の文書管理の話を書いたときに述べたのだが、
「保存年限の長さと文書の重要性はイコールではない」
のである。
つまり、行政機関にとって重要である資料と、それを検証しようとする側にとって重要である資料にはズレがあるのである。
行政機関にとっては、あくまでも業務の遂行が第一。だから、業務が予定通り進んでいれば、終わった書類は必要なくなる。
でも、その業務を後から検証しようとしている人達にとっては、その書類こそが重要になるのだ。
だから、各省庁が文書の移管廃棄の権限を持っている今回の法案は問題があるのだ。
文書の重要性は、現用の時と非現用の時では、その重要性の「考え方」そのものが根本的に異なるのである。
だからこそ、「非現用」の立場から移管廃棄を考える公文書館側の方に、その権限があることが絶対に必要なのである。
今回のまさのさんの調査を拝見して、特に「中間書庫の重要性」については改めて考えるところがあった。
ただ、逢坂議員がちらっと話しておられたのだが、「行政改革のため、あらたに中間書庫のようなものを作るのはダメだと政府は言っている」らしい。
私からすれば、この「中間書庫」をきちんと作ることこそ、行政の効率化につながるのだと思う。
行革とは「削る」だけではないはずだ。効率性を上げるためにはどのようにすればよいのか。そのための投資は惜しむべきではないと思う。そこは政治判断で何とかするべきではないだろうか。
追記
まさのさんのブログに、この記事を見た感想が出ました。紹介しておきます。→こちら
この記事は非常に興味深かった。
まさのさんのブログには、「行政文書の保存期間」に関する国会審議の一覧表がアップされているのだが、それを見ると色々と唖然とすることが多い。
特に、高速道路の建設などの公共事業の調査記録(原データ)が3年やそこらで「文書管理規則」に則って廃棄されていて、追跡調査できないという事例については、「何で?」と思わざるをえない。
どうも官僚側の認識としては「すでに契約して着工してるんだから、なんでそれを作ったのかなんてどうでもいいじゃない」という感覚のようなのだ。
詳しくはまさのさんのブログを参照してほしいが、「文書保存期間が切れました」として、大量の重要資料が廃棄されているという実態が非常に生々しくあらわれている。
まさのさんは、この問題を各省庁が独自に「文書管理規則」を決めていることに原因を見ている。つまり、重要な資料なのに、各省庁が短い保存期間を付けて捨てているということだ。
もちろん、この点が最も問題があることは疑いない。
今回の公文書管理法案では、その文書管理規則の制定には内閣総理大臣の同意が必要となっている(第10条)。だが、これで果たしてこの状況が改善されるのか。
まさのさんは、内閣府も同じ官僚組織なのだから、期待できないと主張されている。私もその点については全く同意見である。
ただ、私の視点から見ると、もう2点ほど、話を広げて考えることができるのではないかと思う。
まず一つめは、「中間書庫の重要性」である。
まさのさんがまとめた答弁の中で気になったのは、4月23日の舛添要一厚労相の答弁にある年金関係の書類は「膨大な量」になるから全部保存は無理という言葉だ。
これは他の答弁には出てはいないが、各省庁が原データなどを大量に処分する原因は、「保存スペース」に起因しているように思う。
高速道路などを作る場合には、おそらく大量のデータを作っているはずで、そのデータ量は各部署が持つには膨大すぎる。だから、短い保存期間を付けられ、着工したら捨ててしまうというようなことが行われているのではないか。
(もちろん悪意を持ってデータを隠蔽して捨てている可能性は否定できないが、それが全てに共通する原因とはちょっと考えにくい。)
だからこそ、「中間書庫」は必要なのだ。
「中間書庫」は、保存年限が来ていないが、実質的にはほとんど使用していない文書を移管する「倉庫」である。そしてその倉庫は公文書館が管理する(文書の保有者は各省庁のまま)。
ここに移管するメリットは、各部署にある大量の文書を整理整頓できること、公文書館の職員が整理に携わることで保管期限切れの後の公文書館への移管がスムーズに行えること、などが挙げられる。
つまり、現在スペースの問題で廃棄されている文書は、中間書庫のシステムを使えば、適切な保存期間を設定でき、かつ重要な資料をその事業終了まできちんと保存することが可能になるのだ。
二つめは、これは繰り返し私が述べていることだが、「移管廃棄の権限を各省庁が持っていることの問題性」である。
私が以前、広島大学文書館の文書管理の話を書いたときに述べたのだが、
「保存年限の長さと文書の重要性はイコールではない」
のである。
つまり、行政機関にとって重要である資料と、それを検証しようとする側にとって重要である資料にはズレがあるのである。
行政機関にとっては、あくまでも業務の遂行が第一。だから、業務が予定通り進んでいれば、終わった書類は必要なくなる。
でも、その業務を後から検証しようとしている人達にとっては、その書類こそが重要になるのだ。
だから、各省庁が文書の移管廃棄の権限を持っている今回の法案は問題があるのだ。
文書の重要性は、現用の時と非現用の時では、その重要性の「考え方」そのものが根本的に異なるのである。
だからこそ、「非現用」の立場から移管廃棄を考える公文書館側の方に、その権限があることが絶対に必要なのである。
今回のまさのさんの調査を拝見して、特に「中間書庫の重要性」については改めて考えるところがあった。
ただ、逢坂議員がちらっと話しておられたのだが、「行政改革のため、あらたに中間書庫のようなものを作るのはダメだと政府は言っている」らしい。
私からすれば、この「中間書庫」をきちんと作ることこそ、行政の効率化につながるのだと思う。
行革とは「削る」だけではないはずだ。効率性を上げるためにはどのようにすればよいのか。そのための投資は惜しむべきではないと思う。そこは政治判断で何とかするべきではないだろうか。
追記
まさのさんのブログに、この記事を見た感想が出ました。紹介しておきます。→こちら
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H&M(リトルビッグプラネット 動画 2009-04-06 03:44)
そして!!( ´H`)y-~~今度は発射【韓国時事:北朝鮮】Hファミリーの家づくりのコンセプト 1)地域とのつながり 行政文書の保存期間のおかしさ
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